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ロッキン神経痛のブログ

脳みそから出るアレをこぼさずジップロック

VRでエロ動画を見た話

 久しぶりの更新だ。仮病から始まった不登校がいつの間にか一学期を終えてしまうように何となく更新が止まったブログも誰にも読まれていないというのに謎のプレッシャーが重力加速度的に上昇して記事を書けなくなってしまうのはよくあること。

 

 そう、よくある事だからこそ突如思い出したかのようにカジュアルに更新をしたっていいのだ。そう自分に言い聞かせつつ今日も駄文を書いていこうと思う。

 

 そう、僕は先日大阪に出張をしたのだ。仕事は一日と半分の時間であっという間に終わり、同僚を駅で見送った僕はしばしの間考えて土日の時間を一人旅に充てる事にした。

 

 早速じゃらん楽天トラベルを駆使して前々から泊まってみたかったカプセルホテルを予約する。実は今回の旅の目玉はこれが主の目的と言って良かった。田舎には土地が有り余っている為、カプセルホテルのような合理的かつ未来SF的な夢ある宿泊施設は無いのだ。何を隠そう僕は、前々から人口過密都市に住む都会人達が生んだ奇抜なワンアイデアをそのまま形にしてみたらめっちゃ流行って大成功しちゃったよホテルに泊まってみたかったのだった。

 

 話を進めよう。僕は心斎橋にあるカプセルホテルに泊まった。それは所謂健康ランドにカプセルホテルが付随しているような施設だった。靴箱の鍵をフロントの女性に預け、ロッカーの鍵を渡される。ちなみにカプセルホテルは法律上簡易宿泊所とされている為部屋に鍵の類は存在しない。ではなぜ僕に鍵が手渡されたのかというとそう、実は僕は予約の直前に日和ってしまい、奴隷船よろしく縦横並びのコールドスリープ装置のようにカプセルが並ぶあの狭い狭い個室に泊まる事をやめてしまい優雅に広い半個室空間にカプセルが設置され荷物用のロッカーまで付いているという、いわばカプセルホテル界の豪華客室に泊まることにしてしまったのだ。歳は取りたくないものだ。身体の疲れに正直になってしまう。好奇心に手足が生えてそのまま市中を練り歩く好奇心お化けのこの僕が、日和ってしまったのだ。ぴよぴよと。

 

 つまり、僕が右手にはめているこのピンク色の鍵は、僕がこのグランドサウナ心斎橋における特権階級である事を他の施設利用者に示しているのだった。以後、他の一般利用者から僕が向けられた羨望と嫉妬の眼差しと、身に余る権力を手にした僕とが繰り広げた凄惨かつ歴史に類を見ない事件については、大阪府警の厳しい指導を受けた為、ここで記すのはやめておこうと思う。さて一泊した僕は経年劣化によって濃いクリーム色になったカプセルホテルの内部の素晴らしい構造美を堪能した。機能しなくなって久しくなったいくつかのボタンをうっとり眺めて海外諸国ではあり得ないだろう最新の薄型テレビが設置されているサービス精神に感涙した。そして付随するリモコンでテレビの電源を付けると、なんと、絶妙な色気を持った醜女が満員電車の中であられも無い姿にされているAVが流れはじめたのだった。馬鹿な。なぜ。どうして。僕はそのAVのシチュエーションにゴクリと息を飲む……ことはなかった。僕の住む田舎には地下鉄がない。電車はあるが、乗車率は10%そこそこで皆が座れる優しい世界がそこに広がっている。つまり痴漢電車系AVに対する憧れの種のようなものは、田舎者である僕には全く無いのだ。苛烈な通勤戦争を経験し続けるあまり、脳のシナプスが破壊され、やり場の無い怒りが豊かな想像力と共に性欲に変換される都会の男達に少しの嫉妬を覚える。それにしても何故AVが流れているのだ?僕は一切視聴カードを購入した覚えはないぞなもし、と部屋の隅に眼をやるとそこには一つのパンフレットが目に映った。手にとって見るとなんとこのグランドサウナ心斎橋では全個室に無料でアダルトチャンネルが放送されているのだというではないか。なるほど、神は存在していた。タバコの焦げ跡の残るカーペットと死んだ目をしたオッサン達が集うこの場所は、現代日本に顕現した小さなエロサレムだったのである。童心を忘れない僕は興奮を精一杯表現するように、二つあるアダルトチャンネルを数秒ごとにいったりきたりしては、鼻息も荒く画面に見入っていた。目頭を激しく切開したAV女優を僕は見つめ続けた。主よ、ブドウ酒とパンと無料AVに感謝します。ハレルヤ。

 

 話を本題に進めよう。僕はその翌日グランドサウナ心斎橋のグランドなサウナを堪能した。それは、宿泊費 税込4,200円以上の素晴らしい体験だった。野外露天にジェットバス、打たせ湯まで完備したそこは、古代ローマの浴場にも引けをとらないこの世の楽園だった。湯上がりに小さなタオルを使って身体中の水気を拭き取り、無料のドライヤーで無料で髪を乾かして感無量。そしてエレベータを使って四階の豪華客室に向かう途中、壁に貼られたポスターに僕は目を奪われた。

 

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 VRアダルト。

 

 VRとアダルト、この二語以上に夢のある組み合わせを僕は生まれてこの方聞いた事がなかった。前々より気になってはいたものの、VR環境の導入費用の高さから見送っていた未知かつ究極の体験となるだろうその二言の組み合わせが、なんと、30分たった500円で体験出来るのだという。これは試すより他ないではないか。他ないではないか。

 

 脳裏に閃光走り、エレベータのボタンを高橋名人ばりに連打して、1階へ。僕は血走った目といきり立った自身のVR棒を誇示しつつフロントへと向かう。片言の女性従業員に向かって指を立て、勢いよく一言。言ってやった。

 

「あのぅ……その……VRの……へへっ……500円のやつ……。」

 

 ぽかんとした顔をしたキムさんは、チョト待っててと一言、バックヤードへ。てきぱきとカゴを持って帰ってきた。手慣れたものである。中にはVRヘッドセットとギャラクシーエッジ。なるほど、これをこう組み合わせて、ああするのだな。僕は頷いた。

 

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 大きなカゴを持って、ウキウキとした気分でエレベータに乗り込む。同乗したオッサン二名が、横目でこちらをチラチラと見てくるのに気付いた。僕の横には例のポスターが貼ってある。交互にそれを見ているだろうオッサン達。ははん、こやつ今からお部屋に戻っておしこりに遊ばされるのか。と思われているのだろう。VRヘッドセットを身に着けたそれは、さぞマヌケな格好なんでしょうなという侮蔑の表情を浮かべているように見えた。脳の進化の追いつかない馬鹿共め。そうだ、おしこり遊ぶのだ!

 

 強気な心の声とは裏腹に、額には恥ずかしさの汗が滲んだ。しかし、僕はどんな逆境や困難にも耐えて見せよう。人類はそうやって勇気と共に進歩してきたのだから。オタク特有の歩幅の狭い駆け足(俊足)(ライバルに差を付けろ)で半個室に入るなりカーテンを勢いよく閉める。ドタバタと音を立てたものだから、向かい側の部屋から流ちょうな発音でSHIT!と聞こえてきた。どうやら金のない外国人が泊まっているらしい。もしくは嫉妬と言ったのかもしれない。勿論最新技術を体験する僕に対するものだろう。

 

 そしてヘッドマウントディスプレイ装着から動画の再生までは、これまでの人生におけるどんな場面よりもスムーズに行われた。まるで生まれる前から操作法を知っていたかのような感動的な体験だった。デジャブとでもいうのだろうか。数十回繰り返したような手慣れた手つきで未体験ゾーンへと突入した僕は、今日この日の為に生まれてきた事を確信した。気づけば僕は、見知らぬ明るい部屋の真ん中で座っていた。目の前には、見目麗しい女性が二人……二人とも僕を「お兄ちゃん」と呼んでくる事から、どうやら生き別れた妹達であるらしい事が分かった。さっきまで僕は、出張してカプセルホテルに泊まる夢を見ていたらしい。やっと現実に帰ってきた僕は、妹達にされるがまま、服をたくし上げられて……

 

「うわ、肌と乳首黒っ!」

 

 そこでこの世界がどこまでも仮想現実、VRの中である事を思い知らされた。

 

 自分の服の下、そこに現れたのは、色の白く少したるみ始めた僕の身体ではなく、日サロでこんがり焼けて、バキバキに腹筋の割れた僕の、いや男優の身体だったのである。こんなお兄ちゃんはお兄ちゃんじゃない。そんな僕の声も無視して、二人の妹はバーチャル俺ブラック乳首を両側から攻め、バーチャル俺VR棒をアレコレしてくるのだった。もはやこれでは作業どころではない。存在しない妹を手でどけようと両手をばたつかせる僕。違う、これは僕じゃない。畜生、僕の身体をどこへやったんだ。どけ、お前達は僕の妹じゃない!同時にヘッドホンの向こうからシットファックの幻聴を遠くに聞きつつ、暴れた僕。だが僕はやがて抵抗をやめた。どれだけ拒否しようと、これが僕の新しい身体なのだ。500円はもう返っては来ない。30分を楽しみ尽くすには事実を受け入れるしかない。しかし、この心は思うままにはさせないぞと。僕は両腕を組み直し、僕は、僕は全てを見届ける事にした。非暴力非服従、平成のガンジーがここに座っていた。

 

 まず左の妹が、顔を近づけてきたので、こっこれは……キッスでござるかヌホホ!と興奮する僕。次の瞬間世界は唇に包まれた。巨大な顔と唇が僕の視界いっぱいに広がるその光景はまさに進撃の巨人。捕食されるという恐怖で一杯で、VRという鳥籠に捕らわれていた屈辱を思い出す始末。思わずヒエッと声が出て愚息もしょんぼり。すかさず右の妹が、バーチャル俺ブラック右乳首を舐め出したので、その可愛い顔を拝見しようと思った所、全天球カメラの死角に入ったのか、右妹の顔面が縦に分裂して四つの目が僕をぎょろりと睨み付ける。

 

「ヒョエエエエエ!!」

 

「SHIIIIT!!!」

 

 息も荒く、悪夢から目覚めるようにヘッドセットを外した僕は、30分を知らせるアラームを止めてカウンターに籠を返しにいった。ふわふわとした現実感のない地面を踏みしめ、何度も顔を振りながら僕はこの世界へと帰ってきたのだ。VRとアダルト、そこには現実を忘れさせかねない無限の可能性と共に、技術の追いついていないエロの荒野が広がっていた。しかし、きっと5年10年後、そこには開拓者によって広げられた見渡す限りのアダルト田園風景が広がり、バーチャルリアリティの世界で至福を享受する男達の姿が広がっていることだろうと僕は確信する。現時点でもアラはあれど、紛れもない現実感がそこにはあるのだ。少しの恐怖感と未来への大きな希望を胸に僕はカプセルホテルを後にした。この後旅先で調子に乗って暴飲暴食を繰り返し、翌日人生最悪の二日酔いと共に早朝早くに帰路に着いたのは別の話だ。火が着くようなアルコール度数のお酒は飲まない方が旅は楽しめる。それだけを伝えて今日は筆を置こうと思う。以上だ。