ロッキン神経痛のブログ

脳みそから出るアレをこぼさずジップロック

自分の小説が出版される話

 
 とんとん拍子なんて言葉があるけれど、それ以外に言葉が見つからないくらいにとんとん拍子に事が運んで、この度カクヨムに書きなぐっていた「限界集落・オブ・ザ・デッド」が書籍化する事が決まった。マジで?どうやらマジらしい。
 
 第一報を受けた僕は、胸の内で初めて沸き起こる感情をどう処理すべきか分からなくてとりあえずノートを開いて「小説!?」とだけ大きく書いてみた。それで、どうやら自分の小説が世に出るらしいという事が分かった。自分の小説が世に出る?マジで?どうやらマジらしい。
 
 後は丸窓を開けながら太陽に向かって歌を歌い、口笛を吹きながら陽気に街に繰り出すと道沿いの花屋やパン屋から顔馴染みの店員達が駆け寄ってきて、僕のウインクによって虜にしたまばたきの多い美女に囲まれつつ祝福を受けながら一緒に踊り歩き、最終的に噴水のある円形の広場でみんな両手を挙げて、小鳥たちが花のブーケを僕の頭にのっけて、いつの間にかコーラスと楽団まで集合して曲はアップテンポになり、花吹雪と共に大団円を迎えた後、屈強な街の男数人に持ち上げられた僕は高いところで一言「こんなの夢みたい」って手を顔の前に組みながら呟いてチャプター1が終わるんだろうけど、何しろほとんど外に出ない上に顔馴染みの店なんてないから室内で感動を表すしかなさそうだ。
 
 ゆえに僕は、貧困な想像力を駆使してズダダンズダダンと不器用なスキップをしながら台所の棚からマルちゃん正麺を取り出した。
 
 お湯を沸かして注いでタイマーをセット。既に夕飯は済んで久しい。つまりこれは夜食のマルちゃん正麺。夜のマルちゃんだ。
 
 仕上げに生卵を入れて刻んだネギを乗っけてごま油まで垂らしてみる。一体、これ以上の贅沢がこの世にあるだろうかいやない。
 
 胃の中のマルちゃん正麺は次の日には胃もたれだけを残して跡形もなく消えてしまったけれど、書籍化の話はどうやらまだ消えてないようなので、勢いとノリに頼って今後も頑張っていきたいと思う。
 僕の脳みその結晶が世に出た時には、皆様よろしくお願いいたします。