ロッキン神経痛のブログ

脳みそから出るアレをこぼさずジップロック

ネットのオフ会に行ったら怪しすぎて寝込んだ話

 仲良い友達とネットのオフ会に行ったら、一日寝込んだ話をしたい。
 まず、僕も友達も大のカラオケ好きで、常に街中に歌の気配を探している。気配を見つけたらそれを頼りにその場に瞬間移動が出来る程度にはカラオケ好きだ。関係ないけどお酒をたしみながらのカラオケは喉には最悪ながら本当に脳を直接的に癒すセラピー効果があるので、僕の代わりに誰か論文にして、DAIGOあたりに紹介してもらって世の中に届けて欲しい。緩和九大!!(意味も知らぬまま絶叫)今回友達が見つけてきたネットのオフ会、というのはまさにタイトルに「カラオケ」を題したカラオケオフ会だった。
 ”地元”とお茶の英語表記を掛け合わせたみてーな名前のサイトで募集されていた、そのオフ会の参加には年齢制限はなく、
 休日の20時から21時半という「高校生だって、もうちょっと長い時間遊ぶんじゃね?」という非常に短時間での開催ではあったが、
 「カラオケ」という4文字を前に思考停止するカラオケジャンキーである我々にはその程度の違和感で躊躇する自制心は残されていなかった。

 会場は地域では最も安いと知られるカラオケ店だった。どれくらい安いかって言うと、中学生がラブホ代わりに使い、高校生がラブホ代わりに使い、疲れたサラリーマンがその間の部屋で一人、加齢臭が沁みついた備え付けのマッサージチェアに身体を沈めながら明日のブラック労働を憂い涙を流しながらCoccoの唄を叫び歌っている。そんな人間の生存本能をむき出しにした、かいじゅうたちのいるところ的な場末も場末のカラオケ屋だ。
 スーパーで買った差し入れのお菓子片手に指定された部屋に入ると、わあ! すごい笑顔の人たちが準備万端といった風に僕たちを迎えてくれた。
挨拶もそこそこに、奥から現れたのは片言の日本語を話すスーツ姿の男。聞けば韓国人留学生だと言う。
 彼に会費を払うと、たどたどしい日本語で、ここに本名をフルネームを書けと、渡してきたのは出席簿の挟まれたクリップボード
ネットのオフ会で本名フルネーム? あー・・・その・・・オフ会特有のグダグタ感がなくて・・・いいね! 段取りばっちり!
 備わった動物的本能がそうさせたのか、僕らはひらがなで苗字だけを馬鹿みたいに汚い字で書いて、席に座った。(なんか嫌な顔をされた)
 卓上に並んだお菓子を眺めていると、僕たち以外の参加者たちは皆親しげに話している様子。
「おや、皆さんお知り合いなんですか?」と聞くと、
 何故か勝手に挙動不審になって知り合いじゃない、としどろもどろになる一人の男性参加者。流石にもう思っていい? あ、怪しい・・・。
正直な話、ネットのオフ会なんて、マルチ宗教投資詐欺スピリチュアルセミナーの巣窟だってことは百も承知。
 それでも時に思いもしない素敵な出会いがあったりして、生涯の友が出来たりという経験があるのでリスクは覚悟していたんだけど、
今回は、どうだろう?マルチか?宗教か?マルチなのか?宗教なのか?いや、僕の勘違い?なんて疑心暗鬼になっていたら、遅れてカラオケルームに5人の人物が入ってきた。
 1人目から4人目までは、まるで闇金ウシジマくんの原案なん君ら?と思うくらい、身も心も疲れ切った姿をした男性陣。そして
5人目に彼らを押し込むように現れたのが、ガリガリ糸目で常に笑顔の肌色がなんか不穏な年齢不詳の女性だった。
「あっ! 宗教だこれ!!!」
 なんて流石に口には出さなかったが、こんな分かりやすいことってあります?っていう入信フェイス。どうして新宗教のベテラン信者って皆、あんな顔してるの? 人間が何らかの徳的なものを積むとああいう姿形に進化するようにポケモンみたいにプログラムされてんの? だったらぼかぁ嫌だな、ずっとヒトデマンとかで良いよヘヤッ!
 その後、正味一時間半しか時間がないのに、一人ずつフルネームと生年月日を伴うたっぷりとした自己紹介を順番にさせられた。
 あーもう、終わりだ。こんなんもう、お通夜だよお通夜! とげんなりしていたんだけど、何故かマイクを持って歌っていたら、脳にドーパミンが溢れてめっちゃ楽しい気分になってしまった。僕たちは、皆、友達(しんじゃ)だ! 車で来たからお酒は飲めないんで、コーヒーがぶ飲みBlingBangBangBorn。皆さまご覧ください、これがカラオケ乱用者の末路です。
 結局、どこか目の奥に暗い影を落とした信者たち(断定)と、ほいほい集まった僕ら含むカモネギたちのため、盛り上がるだけ盛り上がって家に帰り、カフェインの取りすぎと多分に無理やりテンションを上げていたせいで随分グロッキーな気分で寝込んでしまった。
 そう、結局のところ、この日勧誘らしい勧誘は一切受けておらず、全体に漂うあまりにも胡散臭い雰囲気とは裏腹に僕たちは解放されていた。いや解放されてしまったのだ。
 時間を戻そう。このままじゃ話にオチが付かないじゃないと焦った僕は、会の最後に笑顔のカモネギたちを主催者と一緒に見送りつつ、正面から直接聞いていた。
「結局、これってどこの宗教の勧誘なんですか」

 するとびっくりするくらい薄い反応で、全然そんなんじゃないですよ、とのたまう主催女子。いや、逆にそんな反応薄いことある? 今すっっごい失礼なこと聞いてるよ僕。と思いながら、撮れ高の少なさにがっかりしていると片言の韓国人が一言
「この会が、問題になることは、一切ありません」
 いや問題あるやつが言うセリフやそれ、もっと日本語勉強しな!カムサハムニダ。オチが付きましたとさ。