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ロッキン神経痛のブログ

脳みそから出るアレをこぼさずジップロック

テキストサイト文化が忘れられない僕がブログを書き始める話

時はテキストサイト全盛期で、僕は中学生だった。

 

 同じクラスはもちろん、学校全体でもインターネットを使っている子はまだまだ少なくて、一部の中学生が携帯電話を持ち始めた時代。その当時から親の監視下を離れて子供がインターネットに繋がってしまう事のリスクに関する特集を頻繁にテレビでしていたのを覚えている。

 

 そんな中で友達も少ないし、部活動もまともにしていない為時間の有り余っていた僕も、当時ISDNからADSLという回線速度の文明開化の波に乗せられ、オカンが訳も分からず契約したネット環境を思う存分満喫していた。

 Windows98を搭載したノートパソコンをブリブリ使い、面白フラッシュにエロフラッシュを検索しまくる日々。今ほどコンテンツも豊富でなかったので、限られたお気に入りを毎日狂ったようにリピートウオッチングし続けていたし、新作フラッシュを求めてイイアクセスも1時間に1回はチェックしてた。

 

 その頃はラインなんてもちろん無いし、周りでは自分のメールアドレスを持ってる子自体少なかった。そうなると必然、ネット中心の生活を送る中学生僕のコミュニケーションの場は同じくネットの中の仲間達とのものになっていた。当時の僕は、毎日のように中学生掲示板や居酒屋チャットで

 

「4649!オレ中2の石川住みだけどみんなはどこ住み~?教えてちょ!」

 

みたいな寒い挨拶を定型分として打ち込んでいた。もちろん流行の顔文字を添えてだ。

あとタメ語を使う相手が年上だった時、この上ない気まずさを感じてしまう小心者の僕は、それを誤魔化す為に文末に「です」を使わずに頻繁に

 

「よろしくだす~~!!」

 

とか言ってた。タメ口と敬語、その狭間でなぜかいなかっぺ大将のように「だす」を使う事が最適だと判断したのだ。こうすれば、あいまいなポジションをキープしたまま円滑なコミュニケーションを進められる、と当時は本気で「だす」が万能の言葉だと信じて疑わなかった。みなまで言うな、頭が悪いんだす。

 

 まあ、そんな事はどうでも良くって、いい加減タイトルにも書いたテキストサイトの話をしようと思う。

 

 当時はyoutubeニコニコ動画なんてコンテンツは、回線速度が今ほど高速化していない為に登場していなかった。だから、その当時の電脳キッズ達が楽しんでいたのは、さっき言ったフラッシュのような軽めの映像コンテンツや僕も書き込みまくっていた掲示板やチャットのような、過渡期のソーシャルメディア。そして一大ネットコンテンツへと成熟してきた、テキストサイト界隈で人気のテキストを読むことだった。 

 

 2ちゃんねるで大ブームを巻き起こした吉野家コピペのNotFoundや、先行者が爆発的人気を得た侍魂、ネットで知り合った友達に教えてもらったNumeriなど、物書きのカリスマ達が最高にクールでホットなテキストを書き続けているその姿を見て、当時憧れなかった電脳キッズがいただろうか?いや、いない。

 

  僕も当然のようにカリスマ達に憧れ、htmlタグを<head>から</body>まで足りない頭でゆっくり勉強しては打ち込み、ジオシティーズにでっかい広告の付いたままのテキストサイトを立ち上げた。トップページにはもちろんカウンターを設置し、時間ごとに変わる訪問者へのメッセージが表示される。更に左から右から流れてくるカラフルな文章に爆音のmidi。そして肝心のテキストは、どこかで読んだ事のあるような言い回しで、今で言うリア充に中指を立て、自分のモテなさや非リアコミュ障っぷりを卑屈にアピールし、斜にかまえて世の中を分かったような事を面白く書いて……るつもりのドスベった文章だった。僕のサイトはテンプレートのような駄テキストサイトだったのだ。

 

 いや、中学生が自信満々に書いているその全てはそれ以下の汚物、ゲロ以下の電子ゲロだったかもしれない。

 

 訪問者はなかなか来なかったし、カウンターはほぼ僕一人で回し続けていた。誰も来ない掲示板では、出会い系サイトへの誘導を促すbotだけがスレッドを建て続けていたが、それでも僕はとても楽しかった。いつも見ているだけだったキラキラしたインターネットの世界に初めて僕も参加出来ているような気がしたからだ。掲示板やチャットのように、流れては消えていくものではなく、僕だけのテキストを保存する僕の城がインターネットの片隅に出来たのが嬉しくてたまらなかった。

 

 やがて、少人数ではあるが同年代の弱小テキストサイトの管理人仲間が出来たりもして、小さな小さな輪っかの中、互いの掲示板で馴れ合ったり、コラボ文(笑)を作ったりと充実したテキストライフを送る事ができた。

 

 そんな僕も気づけば高校生になり、何をトチ狂ったのか音楽経験もないのに強豪吹奏楽部に入った為にインターネットに費やす時間がなくなり、次第にサイトの更新もしなくなっていった。

 

 やがてyoutubeニコニコ動画の時代がやってきて、同年代の電脳キッズの遊び場はより新しい映像コンテンツやストリーミングサービスに移っていった。ついでに物書きの場もテキストサイトからブログやmixiが中心となり、ますますテキストサイト界隈の過疎化は進む一方だった。そういった環境の変化の影響もあったのか、テキスト仲間達も次々とサイトを閉鎖していくのにつられ、僕はまた誰も見なくなってしまった自分のサイトを、ある日何の気もなしに閉鎖したのだった。そこには特に後悔も感慨もなかった。それくらい熱は冷め切っていたのだ。

 

 それから年月が経ち、今になって僕は何かを書きたくて仕方がなくなっている。理由は色々で、自分の時間の取れる職場に異動した事や、ツイッターやブログで楽しそうに日常を書いている同年代の友人の影響なんかもあると思う。

 

 ただ一番の理由は、これまた何の気なしにウェブアーカイブで当時の自分のサイトを発掘し、そこにある電子ゲロを読んでしまった事にあるのだ。

 

 そこには混じりっ気なし青春100%の駄文があった。当時斜にかまえて、リア充に中指立て、自分の日常のつまらなさを書いていたつもりの僕だったが、そこにあるのは友達とのちょっとした面白エピソードを何倍にも盛って書いていたり、テストや授業のつらさをやたら大げさにアピールしている僕の、平凡でも楽しい日々ばかりだった。

 そこには充実した青春の日々がちゃんと見えた。今よりずっと若くて、性格の純粋な僕がそこにいた。

 

 思えばあの頃と比べて変わったものだらけじゃないか。携帯電話はスマホになって、テキストサイト仲間だった同級生は結婚して子供まで出来ている。僕は少し太って、体力が落ちたせいか、夜更かししてゲームも出来なくなっている。肌にも元気がなくて確実におっさん方面いきのバスに乗り込んでしまっている実感がある。休みの日にはグーグルで『何か 面白い 事』と検索するくらい心が消耗し、ささくれだっている。それに比べて中学生の僕のこのキラキラは何だ!何なんだこのキラキラ光る電子ゲロは!!ノスタルジーだか焦燥感だか分からない感情に頭の中を滅茶苦茶にかき回された僕は、午前2時にディスプレイに映る当時のサイトを見ながらシクシク泣いてしまった。

 

 そうして、一日置いて冷静になった後で、なんとなくブログを始めてみる事にした。きっとまたなんとなく辞めるんだろうけど、その時は消さずに残しておこうと思う。今度はこの時代にインターネットに参加した証を残しておきたいんだ。

 

とエモい文をここまで書いてみたけど、要は今度こそ皆にチヤホヤされて、ついでに小銭が稼げるテキスターになれたらええなぁって思いを糧に駄文を書いていこうって感じでーす。

 

という事でみんな4649だす~~~~~!(ハルマゲドン大爆死