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ロッキン神経痛のブログ

脳みそから出るアレをこぼさずジップロック

キューバ旅行記(2)泊まったホテルはラブホだった

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 キューバへ行く直前、僕は聞きかじったキューバに関する生半可な知識を、wikipediaで調べては毎日のように周りの連中に披露していた。

 

「日本より暑いのは当然さぁ(髪ファサァ)、ノンノン勘違いしちゃいけないよセニョール、こんな日本海側の陰気な街と違って、暑くてもカラっとした爽やかな気候だから平気なのだよ(髭クイッ。」

 

みたいに

 

直接関係はないけど、こんな風に小学生の頃嘘だか本当だか分からない性知識をふりまわす奴ってクラスに一人は居たよね。僕はクラスのリーダー的存在だった大田君のせいで、コンドームは特殊な接着剤の一種なのだと中学校に入るまで信じていたよ。その時教わった使用方法の説明は各自のご想像にお任せするけど、あれが嘘だって分かった時は本当にショックだった。でもやっと今分かったよ。他の人の知らない未知の世界を知っているという優越感に浸りたかったんだね、大田君は。

 

あ、そうそうチェ・ゲバラのチェっていうのは、実は名前ではないのである。チェとは、ゲバラの出身地アルゼンチンの方言で「やぁ!」っていうニュアンスの言葉であり、つまり日本語風に言うとオッス!悟空。英語で言うならハロー!ドギー!みたいな言葉なのだよ。(メガネクイッ

なんて言ってると、うるせえ奴だな黙らせてやろうか?と顔面に革命パンチをされても文句が言えなくなってくるのでもうやめておく。

 

そういや今ので思い出したけれど、小学生の頃近所の公園にヨッちゃんという愛称で子供達に親しまれていたお兄さんが居た。子供達に「ヨッ!」って話しかけるから通称ヨッちゃん。誰も本名は知らなかったが、20代半ばくらいで、いつも全力で小学生と一緒にポケモンをやってくれるヨッちゃん。今考えるとだいぶ訳ありじゃない?ヨッちゃん。うん本題に戻るね、殴らないで

 

「暑っ・・・うわ、湿気もひでぇ!」

 

これが僕のキューバでの第一声。

照りつける太陽と、爽やかな乾いた風を想像してたけど、完璧に裏切られた。

 

ジトーッっとした嫌~~な空気。

 

いわゆる日本海側に住む我々裏日本人にはおなじみの、肌にまとわりつく不快指数の高い気候。良く言い換えればうるおいたっぷりスベスベお肌を一日中キープ出来る温暖湿潤な気候が僕たちを待っていた。ラブアンチエイジング!でも紫外線地獄だからプラマイゼロやで工藤。

 

あまり空調も効いていない空港に到着した僕達。

 

そこで入国審査を受けるのだけれど、審査カウンターの職員こそ軍服調の立派な制服を着ているものの、手荷物検査や金属探知器によるチェックをしているのは、Tシャツジーパンやヘロヘロのワンピースを着た、職員なのかも怪しいキューバ人達だった。

 

そして、どいつもこいつも総じてやる気を一片も感じられない。これなら日本のコンビニ深夜バイト達の方がまだ生き生きしてる。

 

(これが社会主義の雰囲気か)

 

とか思いながら並んでいると、審査カウンターで当然のようにスペイン語で何かを質問された。

 

ぼく「ククッ、僕はこの為にスペイン語を勉強してきたんだよっ!」

 

と、早速もう一度同じ質問をしてもらう。

 

職員「ペラペラリンチョエスパニョーラポルファボール?」

 

が、意味が全く分からない。敗北。

 

結局日本人得意の笑顔でハイハイ答えていたら、いつの間にかキューバに入国出来た。あ、でも不機嫌な顔した空港職員の「もう良いから行け」って言葉は聞き取れたんで、勉強したかいがあったよ。

 

 入国を済ませた僕達は、さっそく空港の両替窓口で日本円からキューバの兌換通貨CUCに両替をして、予約しておいたホテルに向かうためのタクシーを拾った。

 

(ちなみにキューバの通貨は、一般庶民の使うCUPという通貨と、外貨を運んでくる観光客様の使うCUCという通貨で分けられている。観光客はほとんどの場面でCUCを使う事になる。というか空港ではCUPの両替は断られた。)

 

拾ったタクシーがゆっくり空港から走り出す。

僕達が事前に調べた情報だと、キューバでは走る車のほとんどが40年代~50年代のレトロカーだらけという話だったが、残念ながら空港に並ぶタクシーは僕達が乗っているのも含めてほとんどがヒュンダイ社製の綺麗なものばかりだ。

 

「実際来てみると、噂とは違うもんかもしれないな」

 

僕はタクシーに乗り込むと、僕は街灯の少ない真っ暗な街並みをしばらく眺め、窓を開けた。

 

異国の風を感じる・・・・。

 

ここはキューバ、僕達はなんて遠くまで来たんだろう。

 

僕達にこれからどんな出会いが待っているのだろう。

 

既に頭の中ではムーディーなJAZZが流れている・・・

 

「「ボボボボボボボボッ!」」

僕のロマンチックを止めるどでかい排気音が目の前を通り過ぎた。

 

なんだね、邪魔をしないでくれないかと僕が前を見ると、目の前を見たこともない型の古いレトロカーが走り去っていくではないか。

それでよく見りゃ、馬鹿みたいにドでかいアメ車や、この状態で走る事が素人目に見ても奇跡、というような鉄クズ同然の車がブリブリエンジンを吹かせながら走っている。なんだレトロカーだらけじゃんキューバ

あと排気ガスがハンパないからやっぱり窓を閉めるぜ!

 

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 ~レトロカーたち、本当はもっとオンボロのがいっぱい~

 

 ___夜に始まったキューバ人の楽しげな宴会が、早朝には怒鳴り合いの喧嘩へと変わっているわめき声で目が覚めた。

 

知らない天井だ・・・。

 

おはようキューバ、ここは陽気なラテンアメリカ社会主義の国。

 

郊外のホテルで一泊した僕たちは、翌日ハバナ中心市街へと移動した。

 

 ハバナ市街オビスポに着いたジャパニーズモンキーこと僕達。ここでまずすべき事は、ハバナ滞在中の拠点となる宿泊施設「カサ」を探す事だ。カサとはスペイン語で「家」という意味であるから、まあ日本で言う民宿のようなものだと思えば間違いはない。正確には色々あるみたいだけど、細かい事はいいのだ。

 

探すとは言ったものの、特に何の手がかりもないまま炎天下にあてもなくふらふら歩いている僕達。

 

すると、突然横からキューバ人のおばちゃんがスペイン語と英語の混じった片言で話しかけてきた。なんと聞けばどうやらおすすめのカサを斡旋してくれるとのことだ。

 

通常、客引きに連れられて行く先に良い事はないというのは海外旅行に限らず定番だが、しかしこの時の僕たちは経験したこともないような気温と湿度の中、太陽に身体を焼かれ、脳みそは溶かされて、思考能力もチンパンジーになっていた。

 

「もうボッタくられようが騙されようが死ななければ別にかまわない、とにかく腰を落ち着けてバナナ食べたいウキ。」

 

とうわごとのように繰り返すジャパニーズモンキーズを気味悪そうに見つめながらも、キューバのおばちゃんことキュバちゃん(仮名)はおすすめのカサへ連れて行ってくれた。

 

僕は、かすかに残っているヒト科の理性で、

 

『もしかして汚いスラム街に連れて行かれて、大麻やケミカルなんかを吸わせて、ハッピージャムジャムサイコー踊ろうよいつもの笑顔で(金を取られたり)するんじゃねーか?』

 

等と考えていたが、キュバちゃんに案内された路地の奥に位置するそのカサは、高級ホテルの一室と見間違うような綺麗な部屋だった。

 

風呂もトイレも別で、キッチンには大きな冷蔵庫まで付いている。これは最高、即決めボンバーだぜ!と思ったが、よく見るとベッドがダブルベッドなのだ。

 

・・先に言っておくと、僕たちは男二人旅だが、身も心も男かつ性的嗜好も至ってノーマル、このままホイホイベッドインする訳にはいかない。

 

それにしても惜しい、部屋の綺麗さは文句なしだ。

 

僕は一応、キュバちゃんにツインの部屋は無いのか尋ねたのだが

 

「そんなものは無い、だったらもう一部屋借りればいいじゃないの。」

 

と一蹴されてしまった。

結局別のカサを探すあても体力もない僕たちは、言われるがまま2部屋借りる事にした。ちなみにただの仲介人だったみたいで、これ以降キュバちゃんは出てこない。

 

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 ~総書記とキュバちゃん~ 

 

カサのオーナーであるおっさんと軽く挨拶をし、ひとまずそれぞれの部屋に入って重たい荷物を下ろした後、ダブルベッドに寝っ転がった。そこで僕は、この部屋のある特徴に気がついた。ちょうどベッドの真上の部分に身長と同じくらいの大きさの鏡がついているのである。

 

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 ~ホテルの天井~

 

なんだこりゃ?と疑問に思いながら身体を起こした。するとさっきは内装や家具の豪華さに目を奪われて気づかなかったが、ちょうど正面の壁の上方部にもベッドが映るように斜め掛けされた鏡が設置されていた。まさかと思って横を向くと、ベッド横にも横長の鏡がご丁寧に設置されてあるではないか。ここまで来たら疑問は確信に変わった。

 第六感がそうさせたのか、あるいは普通もっと早く気づくべきなのか、ある種の確信を持ちながらベッド横の小さな棚の引き出しを開けると、そこからスペイン語ロゴの入ったコンドーム2個がササーッっと滑り出てきた。

 

そう・・・、ここはラブホテルだったのだ。

 

ちなみに僕は紹介された部屋にそのまま入ったが、総書記が連れて行かれた別の部屋はこんなだったそう。

 



 ハハハ…と乾いた笑いが虚しく部屋に響いた。しかしラブホテルだろうが何だろうが、僕たちは非常に疲れていたし、何よりこの部屋はエアコンがガンガンに効いている。もうここで良いじゃない、暑いし、何より暑いし、鏡に囲まれて眠るのも悪くないじゃない、ロマンチックが止まらないじゃない、と鏡だらけの部屋でしばらく横になったけど、案の定なかなか眠れるもんじゃなかった。

 

 

旅の指さし会話帳13キューバ (ここ以外のどこかへ!)
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