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ロッキン神経痛のブログ

脳みそから出るアレをこぼさずジップロック

合コンで笑う鬼を見た

「ギャハハハハハ!!」


 モンテローザに若い笑い声が響いていた。声の方を向くと、半個室の中で20歳くらいの子達が、男三人女三人で飲み会をしているようだ。雰囲気から察するに合コンの2次会か何かだろう。その盛り上がり方は、声がフロア中に響いていることからも分かるようにかなり異様なレベルだった。男が立ち上がって手を叩きながら大げさにギャグを言うと、それを見た女がチンパンジーのようにウキャー!と歯茎をむき出しにして大爆笑していた。まるで猿山である。その様子をパッと見ただけで、僕のDQNに対するコンプレックスがざらざらと逆撫でされて不愉快な気分になったのだが、次の瞬間僕は背筋が凍る思いをした。

 

 というのも、よく観察すると女の子達はアホ面並べて楽しそうに笑っているのだが、対する男達三人の目が、全くこれっぽっちも笑っていないことに気づいてしまったからだ。もちろん男達は顔に満面の笑顔を浮かべており、モンテローザで酒を飲むこと以上に、世の中に楽しいことなんて一つもないってくらい大きな笑い声をあげているのだ。だけれど、目は全く笑っていなかった。目尻は縦になるくらいの勢いでくの字に曲がっているのに、その中に見えるのは獲物を仕留める猛獣の暗い色なのだ。

 

 僕は、彼らの様子に釘付けになったまま、どこかで聞いた人間の笑顔は動物からは威嚇に見えるという話を思い出していた。女の子達は、あんな恐ろしい表情で威嚇されていることに全く気づいていないのだろうか、あの無機質な笑い声に何も感じないのだろうか。それとも本当は全て分かった上で、どこまでも自然に笑ったふりをしているのだろうか。もちろん僕の勘違いで、彼らが普通に笑っているだけという可能性もあるのだけれど。ただ性欲が創り出す高度な駆け引きをそこに見てしまった僕は、安い熱燗片手に恐怖を禁じ得なかった。

 

 

どうぶつますく さる

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