ロッキン神経痛のブログ

脳みそから出るアレをこぼさずジップロック

物事を知らなさすぎて、野球のことが全然分からない話

僕は本当に世の中の物事を知らない。

 

 高校生の頃、周りがKAT-TUNの話をしていても僕は、男性アイドルユニットだとは知らずに、皆がカートゥーンアニメのことを話していると思っていたし、赤ちゃんはコウノトリ博士が孤島の秘密研究所で人工培養したものを、夜な夜な子供を欲しがっている夫婦の家に配布していると信じていたくらいだ。

 

 ちなみにコウノトリ博士というのは、生物学の権威 河野 潤一郎博士が生み出した人工生命体である。マッドサイエンティストであった河野博士は、周囲の反対を押し切り、自身の所有する孤島で日夜、人工生命を生み出す危険な実験を繰り返していた。そんなある日、実験中の事故によって河野博士は死亡する。しかし、その事故をおこした実験によって幸か不幸か自我を獲得した生命が誕生し、やがて人間の10倍のスピードで急成長した人工生命体は、自身を河野博士の実の息子であると勘違いしたのである。ある日、亡き父が残した実験ノートに綴られた、研究を認めようとしない人間社会への恨みと、自ら生命を創り出すことへの強い執着を知った人工生命体は、自らをコウノトリ博士と名乗り、亡き父河野博士の意志を受け継ぐ研究を始めた。やがて、世界がその存在に気付く頃には、強大な科学力と無限の生命を持った兵士を核とした巨大軍事国家が太平洋上に浮かび上がっていたのだった。これが、後の人類にとっての最終戦争のプロローグである。

 

 さて、物事を知らない人にありがちなことなんだけれど、本人は別に知らないことを恥じてる訳ではない。たまに人に笑われたりするけれど、その為に興味もないことを頭に入れるのも面倒くさいし、そもそも興味がないから知らないのだからどうでもいいじゃん、くらいに思っている。自分が好きでもないものを無理やり脳みそに入れるのは、思春期の頃に必死に覚えた流行曲くらいでいいだろう。ミスチルケツメイシとか、当時必死こいて聞いてたけど今でも全然好きじゃない。今でも全然好きじゃない。

 

 そんな僕が、子供の頃から何度も遭遇しては敗北を喫しているのが、野球についての話題だ。僕の周りに広がる男子社会では、野球の話題はどこでも使える基軸通貨ドルみたいなもんらしく、野球選手の名前や、こないだの試合がどーだとかこーだとかを皆で延々と話している場面に何度も何度も遭遇する。その度に、僕は空中を見つめて苦笑いしてやり過ごすばかりだ。あるいはデジモンの話題に付いていけなかった小学校時代を思い出して、うっすら涙を浮かべているかもしれない。

 

 僕は昔から野球に興味がもてなかった。未だにセリーグパリーグの違いも分からないし、マー君っていう人がどこの球団の人かも分からない。そもそも基本的なルールも、バットでボールを打ったら、3つくらいある白いところに向かって選手が走っていく、っていうことくらいしか知らない。

 

 父は巨人ファンでいつもテレビ中継を見ているし、別に野球と隔絶された家庭で育ってきた訳でもないんだけれど、なんでここまで野球のことに興味がもてないのだろうか。もしかしたら、前世がインド人で、クリケットにしか興味がなかったせいなのかもしれないけど、クリケットのことも良く知らないからその線もなさそうだ。

 

 いつか興味が持てるんじゃないかと気長に待っていたんだけど、突然野球が好きになるような気配も感じないし、きっとこれから先も、さほど野球に興味は持てず、ルールも曖昧なまま人生を終えていくんだろう。今後も野球の話題が出るたびに、口をとがらせて、何かを考えているフリをしながら曖昧に会話を流し続ける自身の後姿を想像すると、何となくさみしさを感じるのである。はぁー起きたら野球という概念がこの世から消えてねぇかな。